鑑定評価書の作成

不動産のプロである不動産鑑定士が作成する鑑定評価書の取得にかかる費用は、鑑定評価を依頼する不動産の種類や鑑定評価書のタイプによって異なります。不動産の種類については個人住宅の簡易鑑定が最も安く、この場合は1件あたり10万円から20万円程度というのが相場です。他方、より複雑な分析やレポーティングが必要となる商業用不動産の不動産鑑定評価の場合は案件の複雑性にもよりますが1件あたり50万円から100万円というのが相場となっています。また、鑑定評価書のタイプとしてはプロの機関投資家向けに発行される評価書が最も高く、個人向けに発行される簡易鑑定書が最も安いです。不動産鑑定士は鑑定結果に一定の責任を負うため、責任の重さに応じて価格が異なるのです。

不動産鑑定評価書が重要な意味合いを持つようになったのは、不動産取引市場が急速に拡大した1970年代以降の事です。不動産取引は相対取引であるため、売り手と買い手が価格に合意をすればどのような価格でも売買が成立するという特性があります。不動産取引市場の拡大の過程で、不動産の専門家が不動産の知識をあまり持たない人から市場価格から著しく乖離する価格で不動産を購入したり、不当に高い価格で売却したりする事例が相次いだため、売買対象となる不動産物件の適正価格を把握する観点から不動産鑑定評価書の重要性が認識されるようになったのです。現在では機関投資家間の取引においてはほぼ全ての取引で鑑定評価書の取得が義務付けられています。